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地震保険は必要か!?確実なのは年末調整の所得控除

更新日:

こんにちは
ホン博士です。

地震保険は必要か!?

地震保険は年々その必要性が増してきています。
なぜなら想定外の地域や規模の地震が発生しているからです。

例えば、平成30年9月、北海道胆振東部地震
この地震は最大震度7の非常に大きな地震でした。ここで想定外だったのは規模もですが地域です。
北海道は地震と無縁という妄想をお持ちの方が多かったのです。

北海道のマンションオーナーが言っていました。
「北海道は地震が無い、災害のリスクが少ないから北海道の物件にしたのだよ」
この妄想は完全に打ち砕かれました。

同年の6月には大阪北部地震も起きています。
この地震では学校のブロック塀が崩壊し
女子生徒が下敷きになるという悲惨な事も起きています。

このように、想定外の規模や地域での地震が起きたり
地震から地震の間隔(周期)が短かったりと恐怖を感じるのではないでしょうか。

それでは、地震保険に入る上で、
最低限知っておいた方がいい事をお勉強してみましょう。

意外と知らない地震保険と年末調整

地震保険に入っている人の家には毎年10月頃、
地震保険料控除証明書」が送られてきます。
この書類を年末調整に付ければお金が返ってくるのです。

しかし「あー、地震保険ね、今年はこれだけ保険料を納めたのね」
ごみ箱にポイッ!

こんな人、意外に多いのです。

保険料控除証明書

「地震保険料控除証明書」の役割が分かっていない人はこうなってしまいます。

落ち込むのはまだ早いです。
保険会社に再発行を依頼すれば、再度送ってくれます。
年末調整に間に合わすには迅速な対応が必要です。
年末調整は12月初旬に会社に提出しますよね。

間に合わなくても慌てる必要はありません。
翌年の2月~3月に確定申告をすれば
指定した口座に返ってくるお金を振り込んでくれます。

年末調整と確定申告
どっちが面倒ですか?

圧倒的に確定申告の方が面倒ですよね。
キチッと年末調整に間に合わせましょう。

※年末調整に関しては以下の記事に書かれています。
是非、ご一読ください。

保険の種類
年末調整で保険料控除!?忘れるとこれだけ損をする

こんにちは ホン博士です。 年末調整で保険料控除!? 「年末調整なんで自分で書いてないから分からないよ」と言う人は多いのではないでしょうか。特に男性陣は奥さんに任せているパターンでしょ。 年末調整とは ...

いくら取返せるか

いくら取返せるか? それは控除額と税率から算出できます。

控除額

控除額とは課税対象(税金を算出する元の金額)から
控除(引いてくれる)される額の事です。

控除される税金は2つ

「所得税」
「住民税」

それぞれの控除額はこうです。

支払った保険料控除される額
「所得税」5万円以上払った額
5万円以下一律5万円
「住民税」5万円以上払った額 × 1/2
5万円以下一律2.5万円

どうですか? けっこう控除してくれますよね。

税率

所得税の税率は、その人の所得によって違ってきます。
簡単に言うと、「高給取りほど税率が高い」と言う事です。
これが日本の累進課税制度というやつです。
(住民税は一律10%です)

以下が所得税の税率表です。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%無し
330万円以下10%9.75万円
695万円以下20%42.75万円
900万円以下23%63.60万円
1800万円以下33%153.60万円
4000万円以下40%276.60万円
4000万円超45%479.60万円

結局、いくら取返せるか

簡単な算出例です。
ご自分に当てはめてみて下さい。

算出例

払った保険料:40,000円 、 税率:10%

控除額
「所得税」 = 40,000円
「住民税」 = 40,000円 × 1/2 = 20,000円

結局、いくら取返せる
「所得税」 = 4,000円
「住民税」 = 2,000円

このように、40,000円の地震保険料で
6,000円、取返せる事が分かりました。

と言う事は、実質34,000円の保険料なのですね。
わかりますよね。

保険料はどのように返ってくるか

「所得税」と「住民税」の返ってくるタイミングは違います
特に「住民税」は見えにくいです。

●「所得税」・・・年末調整時(12月の給与に合算)
●「住民税」・・・翌年の6月から1年かけて住民税から減額(返金額÷12)

「所得税」に関しては、12月の給与に振り込まれるので分かり易いです。
しかし、「住民税」は翌年の6月以降に給与明細の住民税から
減額されるのでです。

12分割するので減額分の額は小さいし、
6月だと年末調整した事は忘れてますよね。

このように
年末調整でお金が返ってくる仕組みは理解いただけましたね。

地震保険の役割

ハニ~ワ君
ホン博士、地震保険の役割なんて簡単だよ!
地震で被害に遭った時に助けてくれるのでしょ。
ハニ~ワ君、それは半分正解で半分間違いなのじゃよ。

例えば地震で家が壊れて住めなくなったとするじゃろ
「地震保険で家を建て替えよう」
これは無理なのじゃよ。

ホン博士
ハニ~ワ君
エッ、どうして?
ボクがイメージしてたのと全然ちがうよ!
その理由は地震保険の役割なのじゃよ

地震保険の役割は「被災者の当面の生活を支える」事なのじゃよ。
我々が地震保険と言う言葉から勝手にイメージしている役割とは大きく違うじゃろ。

ホン博士
地震保険では家は建て替えれない

その仕組みを説明するので、よ~く聞くのじゃぞ!

ホン博士

地震保険では家は建て替えれない
衝撃の言葉ですよね。

そもそも地震保険は火災保険の上乗せ保険という位置づけです。
地震保険は単独では入れないのです。

じゃあ役割は?

火災保険で対象にならない地震関連の保障です。
具体的には

●地震
●噴火
●地震による火災、倒壊、埋没、流失

です。
特に地震による火災は火災保険の対象外なので、地震保険じゃないと対応できません。
火災保険に地震保険を上乗せして万全と言えるでしょう。

何が補償されるか

地震保険の補償範囲は分かりました。
地震、噴火等の火災保険で補償されない災害です。

じゃあ、何が補償されるのでしょうか?
答えは「建物」と「家財」です。

ただし、30万円を超える貴金属、商品券、預金証明書等は対象外なので
別途、保管方法を考えた方が良さそうですね。

なぜ、建て替えれないのか

「建物」は補償範囲なのだから建て替えは出来そうですよね。
しかし建て替えは不可能なのです。

前述したように
地震保険の役割は「被災者の当面の生活を支える」事です。

地震保険の設定が火災保険の30%~50%と決まっているのです。
火災保険の設定上限額は家の評価額です。

家の評価額

例えば、家の評価額が2000万円の場合
火災保険(2000万円)
地震保険(1000万円が上限)
なので、地震による倒壊での家の建て替えは不可能なのです。

※真価 : 同じ家を買う又は建てる場合の価格
※時価 : 同じ家を買う又は建てる場合で、経年劣化等の評価減を考慮した価格

地震保険は無条件に貰えない

さらにシビアな話をします。

例えば1000万円の地震保険を掛けていて地震に被災した場合
1000万円が無条件に貰える訳ではないのです。
損壊具合によって支払われる保険金額が違うのです。

●全壊 : 100%
●大半壊: 60%
●小半壊: 30%
●一部損: 5%

下記の記事は、2018年の大阪北部地震の際の記事です。

住宅被害は「一部損壊」99%

この地震は最大震度6弱でした。
それでも大半が「一部損」扱いなのです。

こうなると地震保険の存在自体に「?」が付いてきますよね。

どうせ入るなら安く入ろう

ここ1年以内に起こった地震を思い出して下さい。
年々、巨大化していませんか。

この傾向が続けば地震保険の保険料は上がっていくでしょう。
そうすると苦しむのは保険加入者です。
保険料はどんどん上がっていくでしょう。
下記で各都道府県の保険料率が確認できます(平成27年)。

⇒ 地震保険料率

しかし、地震保険を安くする方法があるのです。

保険屋さんの立場で考えて下さい。
地震で被害を受けやすい家だと保険料を高く設定したいですよね。
じゃあ逆に被害を受けにくい家は?
保険料を安く設定しても大丈夫でしょ!

耐震等級割引の適用です。

耐震等級とは

耐震等級とは家の強さです。

耐震等級1 : 建築基準法の基準を満たすレベル(これ以下は違法)
耐震等級2 : 耐震等級1の1.25倍の強さ
耐震等級3 : 耐震等級1の1.5倍の強さ

要するに、地震に強い家ほど地震保険が安く入れるのです。
ただし、耐震等級割引を適用するには公の証明書が必要です。
(フラット35、長期優良住宅、住宅性能証明、性能評価等)

割引率は以下です。

耐震等級割引率
50%
30%
10%

等級は購入時に購入先や管理組合(マンション)に聞けば分かります。
繰り返しになりますが、公の書類が必要です。
耐震等級3相当、と勝手に謳っているだけでは割引対象外です。

地震の被害に遭ったら

不幸にも地震の被害に遭った場合の保険請求方法をご紹介します。

写真を撮りまくる事

この1点に尽きます。
なぜなら証拠になるからです。
例えば、被害状況を口頭で伝えても上手く伝わらないですよね。
そして、被災後は復旧作業に追われて保険請求まで頭は回っていません。
と言う事は、保険請求時には被災状況から復旧しているのです。

だから証拠写真が必要なのです

被災直後に被災写真と取りまくれと言うのは不謹慎かもしれません。
でもね、
保険会社の立場で考えると、証拠が無いものに保険金は出せませんよね。

だから証拠写真が必要なのです。

証拠写真は保険請求時には最強の武器となるのです。

まとめ

地震保険が必要かどうかの答えは出たでしょうか?

2018年現在、近年の地震発生を見てみると
規模の拡大、間隔(周期)の短縮が見られます。
今後、ますます地震保険の必要性は増してくるでしょう。

しかし、前述したように
地震保険の役割は「被災者の当面の生活を支える」事です。

地震保険で家の建て替えは出来ない事もご理解いただけましたよね。
地震保険への過度の依存は考え物です。

その中で、ただ1つ確実なのは
年末調整で所得控除される事です。

所得控除されると、いくら返ってくるかも分かりましたよね。

ハッキリ言って、地震保険の事なんて考えるのは面倒です。
しかし、保険内容を理解して上手く活用している人は安心を買えているのです。

もしあなたが何も用意してない状況(地震保険に入っていない)で被災するとどうでしょう。
当面の生活を支えるお金(保険金)が貰えず困窮しますよね。
あなたが我慢できても、子供さんや奥さんの不満は募るでしょうね。
家庭内で不協和音が吹き荒れるかもしれませんよね。

「納期のある事はスグやる! 面倒くさい事は今スグやる!」

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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