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保険で年金を積立てて節税まで楽しむ方法

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こんにちは
ホン博士です。

保険で年金を積立てが出来ると聞いた事はあるが、具体的な方法を知らない人は意外と多いです。そして実は、節税というお得感がある事まで楽しめてしまうんですね。保険で年金を積立てして節税まで楽しむ方法をお勉強してみましょう。

保険で年金を積立てるとは「個人年金」に入る事です。そして節税になるのは年末調整で生命保険料控除の対象になり、払ってしまった税金(給与天引された税金)を取返せるからです。

しかし、正しい個人年金の選び方、正しい年末調整の仕方を知らない人が大半です。なぜかと言うと、個人年金は仕組みが複雑で分かりにくいからです。年末調整に至っては年に1回の事なので去年調べた書き方を忘れているからです。人は面倒な事を避けて通ります。しかし、面倒の先には3倍いい事がまっているのです。

正しい個人年金を選ぶ事で老後の安心が買えます。世間では年金制度(公的年金)は破綻する等と言われています。そんな中、FP(ファイナンシャルプランナー)等の見識のある人は正しい個人年金を選んで自己防衛をしています。そして、面倒な年末調整をして払った(勝手に天引された)税金を取返しているのです。それだけ真剣に考えておくべき事なのです。

今回は、保険で年金を積立てて節税まで楽しむ方法をお伝えします。今後の為に是非、真剣に考えてみて下さいね。

個人年金を選ぶ前の2つの大事な事

個人年金を選ぶ前の2つの大事な事を説明します。自分のライフプランに合わせた個人年金を選ぶには必ず必要な知識なので必読です。

・公的年金の存在と必要な個人年金の金額
・個人年金とは貯金である

公的年金の存在と必要な個人年金の金額

公的年金って何の事か分かりますか?何となく理解している人は居るでしょうが具体的な貰える金額まで把握している人はごく少数でしょう。個人年金は「公的年金で足りないお金を補う」事が目的なのに公的年金で貰える金額を知らずに個人年金に何となく加入している人が目立ちます。個人年金に加入する前に自分の老後の生活費を概算で出して、その金額が公的年金で貰える金額と幾ら足らないのかを把握して個人年金を検討するのが賢い考え方です。

公的年金とは会社で給与天引されている厚生年金の事です。会社員の場合は下図の1階、2階部分、会社によっては3階部分まで保険加入しています。

国民年金の図解

国民年金(基礎年金)は満額(条件:20歳~60歳の40年間加入)貰えた場合は年間で77万9300円です(平成29年)。厚生年金は支払った保険料に応じて貰える額が違ってきます。詳しくは日本年金機構で算出出来ます。

手順は下図の黄色の枠の「簡単便利な年金ネットで!」をクリック

日本年金機構1

そして
年金ネットに登録後(年金ネットに登録するには基礎年金番号、アクセスキー(なくても可)が必要)、下図の黄色枠の「将来受け取る年金見込み額が知りたい!!」をクリック。

日本年金機構2

そして、ご自分の条件を入力していくと将来受け取る年金見込み額が算出されます。

必要な個人年金の金額

必要な個人年金の金額 = 老後に必要な生活費 - 将来受け取る公的年金見込額

ご自分に必要な個人年金の金額が分かりましたよね。保険屋さんと話しをする前にこの金額は自分で算出しておいて下さい。そうすると不必要に大きな個人年金保険に加入してしまう事を防げます。

個人年金とは貯金である

個人年金は途中解約しなければ基本的に「受取額 > 支払った保険料」となります。逆に途中解約すれば「受取額 < 支払った保険料」となり損をします。下図を参考にして下さい。簡単に言うと満期までに解約そすると損をし、満期まで掛け続けると得をする仕組みになっています。満期までに払い込んだ保険料と増えた年金原資の差額を算出し、それが銀行の定期預金に預けておくより増えるなら個人年金を貯金と考え、個人年金を掛ける方が得なのです。1点リスクがあり、契約から満期までの間に亡くなった場合の死亡返戻金(亡くなった時に戻ってくるお金)は解約返戻金(途中で解約した時に戻ってくるお金)とほぼ同じなので損をします。

個人年金解約イメージ

以上が、個人年金を選ぶ前の2つの大事な事となります。この2つを知っているだけで個人年金を選ぶ際、自分に必要な金額、本当に必要なのか、を知る事が出来るのです。そして、個人年金は途中解約すると確実に損をするので、何となく中途半端な覚悟で入る事を防げるのです。

個人年金の種類

ここからは個人年金を選ぶにあたっての種類の説明になります。大きく分けると「定額年金」、「変額年金」に分かれます。「定額年金」はさらに「確定年金」、「終身年金」、「有期年金」に分かれます。図解します。

確定年金確定年金
終身年金
有期年金
変額年金変額個人年金
外貨建て年金

5つの種類があるのですが、オススメは「確定年金」です。理由は被保険者の生存に関係なく年金を受け取る事ができ(死亡した場合は遺族が代わりに受け取る)、公的年金と絡めるのに最も相性が良いからです。具体的に各商品の説明をしていきます。

確定年金

「確定年金」がオススメです。

理由は
・払い込んだ額より多く貰える
・公的年金との組み合わせに相性が良い

「払い込んだ額より多く貰える」は先程の図解より分かる通り、満期まで払い続ければ払った額の累計より保険原資(貰えるお金)の方が多くなっているからです。

「公的年金との組み合わせに相性が良い」に関しては図解にて詳しく説明します。

公的年金のっ貰い方
60歳で定年退職をして、もしくは嘱託で暫く働いて、65歳から年金の受給を開始するのが一般的です。ここで考えて欲しいのが上の「個人年金を選ぶ前の2つの大事な事」でも説明したように公的年金は国民年金(基礎年金)と厚生年金から構成されています。それそれが何時から受給開始(貰う)かを設定出来るのです。

受給開始(貰う)を繰り下げる事で「繰下げ月数×0.7%」というルールがあり70歳まで繰り下げると毎月の受給額が最大で42%増やせるのです。ここでポイントがあります。

加給年金の存在

奥さんが年下の場合は、加給年金(家族手当みたいなイメージ)が貰える場合があります。

加給年金とは厚生年金に付随するものです。本人が20年以上、厚生年金を掛けていて(会社に勤めていて)その人に生計を維持されている(年収が850万以上にならない)配偶者や18歳未満の子供が対象です。18歳未満の子供となると本人が47歳以降の子供なので対象者は少ないと思います。ほとんどの人が「加給年金=年下の奥さん」となるでしょう。

どういう事かと言うと、加給年金は厚生年金に付随するものなので、本人が65歳で厚生年金の受給を開始すると年下の奥さんが65歳になるまで加給年金が貰えるのです。この加給年金の金額は年間で「257,400円~389,800円」が年齢に応じて貰えます(日本年金機構しらべ)。
※奥さんが昭和18年4月2日以降の生まれの場合は38,9800円です。

結論としては
「65歳時点で基礎年金は受給開始せず(繰下げで受給額を増やしていき)、厚生年金だけ受給開始して加給年金を貰い、繰下げしている期間にこの確定年金を貰えるようにする」です。奥さんが年下の場合はこの方法もシュミレーションしてみて下さい。これが公的年金と相性が良い理由です。

終身年金

一般的には上に書いた確定年金か終身年金を選ぶでしょう。そして、公的年金(国民年金、厚生年金)も終身年金と同じ性質の年金です。終身年金とは被保険者(本人)が生きている限り一生年金が受け取れる制度です。長生きすればする程、元が取れるのです。長生きに自信のある人はこのコスパ最強の終身年金がオススメです。しかし、長生きしたい願望はあるが長生きできる自信が無い方は多いとおもいます。そんな時にオススメなのがこれです。

「保証期間付終身年金」

保証期間付終身年金とは受給開始から決めた期間だけは被保険者(本人)の生死にかかわらず年金受給が出来る仕組みです(保証期間中に本人が亡くなった場合は遺族の方が受け取ります)。そして、保証期間後は普通の終身年金になるのです。確定年金と終身年金のいいとこ取りをしたハイブリット商品と言えます。

さらに、保証期間付終身年金には夫婦のどちらかが生きている限り年金を貰える保証期間付夫婦年金というのもあります。ここで心配になるのは保証期間中に夫婦どちらも亡くなった場合です。その場合は遺族の方が受け取れます。保証期間を終え終身年金中に夫婦どちらも亡くなった場合は終わりです。

最初の10年間を保証期間とし、その後を終身年金にする方が多いですね。

有期年金

有期年金とは10年や15年と定めた期間は年金が貰えます、ただしその期間中に亡くなってしまった場合はその場で終わりです。その代わり保険料が最安の個人年金です。ただこの仕組みだと損をするリスクが余りに高い為、保証期間を定めてその間に亡くなった場合は遺族が貰える保証期間付有期年金が一般的です。保険料のイメージはこうです。

●有期年金 < 保証期間付有期年金

ここで気になるのが上で説明をした確定年金と終身年金との違いではないでしょうか。下の図を見て下さい。

有期年金、確定年金、終身年金

「有期年金と確定年金」、「有期年金と終身年金」、それぞれ重なる役目の部分があるのが分かります。この辺を理解する事が自分にピッタリの個人年金を探し出すヒントです。それぞれ比較してみます。

有期年金と確定年金の比較

有期年金と確定年金で重なる役目は「貰える期間が決まっている」事です。貰える期間というのは加入時に設定している一定期間(5年や10年や15年)の事です。ただしこの2つの個人年金には大きな違いがあります。

有期年金期間中に被保険者が亡くなった場合はそれで終わり。早く亡くなると損をする。
確定年金期間中に被保険者が無くなった場合でも遺族が代わって年金を貰える。

有期年金は早く亡くなった場合のリスクがあまりに高い為、「保証期間付有期年金」という商品もあります。

有期年金と終身年金の比較

有期年金と終身年金で重なる役目は「死亡すると受給ストップ」する事です。この2つの個人年金にも大きな違いがあるのでよく理解して下さい。

有期年金生きてる限り貰えるが有期期間(最初に決めた期間)内。有期期間内に亡くなると終わりなので損。
終身年金生きてる限りずっと貰える。長生きすればする程お得。

有期年金は早く亡くなった場合のリスクがあまりに高い為、「保証期間付有期年金」という商品もあります。
同じく終身年金も早く亡くなった場合のリスクがあまりに高い為、「保証期間付終身年金」という商品もあります。

変額個人年金

変額個人年金とは毎月の保険料を株や投資信託等で運用し、上手く行けば定額年金(確定年金、終身年金、有期年金)よりも年金原資が多くなり得をするという商品です。しかし、この変額個人年金は全くオススメではありません。

本来の個人年金の役割から外れているからです。個人年金の役割は老後に貰う公的年金で足りない分を補う事です。「必要な個人年金の金額 = 老後に必要な生活費 - 将来受け取る年金額」でしたよね。定額年金(確定年金、終身年金、有期年金)の場合は「必要な個人年金の金額(貰える金額)」を契約時に自分で設定出来ますが、変額個人年金ではそれが読んで字のごとく変額(増えたり減ったり)するのです。だから将来、個人年金の役割を果たさない可能性があるのです。

そして、変額年金は定額年金より必要経費が沢山含まれています。具体的には契約初期費用や運用関係費用が掛かりあなたが払った保険料から引かれるのです。その引かれた保険料を株や投資信託で運用をし、上手く行けば年金原資は増えますが減っても責任は取ってくれません。元本保証ではないのです(中には元本保証タイプもありますが高いです)。

商品によって決まっているのですが、原資(集めた保険料)が運用損で80%以下(各商品で調べて下さい)になると運用、募集を取りやめるような仕組みです。将来貰える年金が払った額より減るという事です。じゃあ結局、何をしてるのかわからないですよね。

ギャンブル的な要素もあり増える可能性もあるのですが減る可能性もあるのです。もし契約するなら他のタイプと組み合わせるべきです。お金の余っている人は別ですがね。

外貨建て年金

こちらも変額年金の一種です。先程の変額個人年金は株や投資信託で運用したのですが、外貨建て年金は外貨(ドルやユーロ)で運用する商品です。ハッキリ言ってオススメではありません。

理由は変額個人年金と同じで減る可能性があるからです。個人年金の役割を果たさない可能性があります。さらに外貨で扱うという事は為替リスクも同時に負う訳です。ギャンブルです。運用はプロの人がするのですが、毎年正月明けに経済の専門家が今年は円高になります、円安になります等と予想していますが誰も的中しないですよね。それだけ難しい事なのです。守るべき貴重な老後資金を預ける先ではありません。


 

ハニ~ワ君
ホン博士、各個人年金の内容はよく分かったのですが結局何を選べばいいの?
ホン博士
ハニ~ワ君、いい質問だね!一番大事なのは個人年金の目的を理解することじゃ。「公的年金で足りない分を補う事」と「個人年金は貯金」だと説明したよね。
ハニ~ワ君
そうだね、説明してくれたね、もう一度よーく読み直してみるよ!
ホン博士
その中で自分のライフプランと照らし合わす事が大事なのじゃ。
ホン博士
一番のオススメは確定年金と公的年金のコラボだぞ!加給年金の内容は覚えておるか?大事な事なので何度も復習をして理解を深めなさい!
ホン博士
確定年金と終身年金を組み合わせてもいいのじゃぞ。保険屋さんの提案が必ずしも最適とは限らないので自分でもよーく考えるのじゃ!分かったか。
ハニ~ワ君
ホン博士、よーく分かったよ、自分にとって最適な個人年金を選ぶには、どんな個人年金があるか知っておく事はとっても大事だね、ありがとう(笑)
ハニ~ワ君
次は節税についても教えてよ!

個人年金の節税について

個人年金は貯金ですと先程お伝えしました。皆さん貯金と言うと銀行預金を考えますよね、少しの利子が付く銀行預金です。まぁ少しの利子からも税金は引かれているのですがね。この貯金を個人年金と言う入れ物に貯金をすれば節税が出来るのです。節税の仕組みは所得控除(税金を算出する所得から引いてくれるので、取られる税金が減る)を受けて年末調整で取り返すのです。この用紙は見た事があるでしょうか。

年末調整
会社員の方は年末調整の時期になると
①、給与所得の扶養控除等(異動)申告書
②、給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
と2枚の用紙が渡され、記入提出を求められます。

この②の用紙に個人保険料を書く事で所得控除(税金を算出する所得から引いてくれるので、取られる税金が減る)を受けられるのです。この用紙で申告出来る生命保険料控除は3種類あります。

種類所得税住民税
生命保険料控除一般の生命保険料40,000円が控除上限額28,000円が控除上限額
介護医療保険料同上同上
個人年金保険料同上同上
※保険料の年間支払額は各8万円までカウントされそれ以上払っていてっも所得税(40,000円)、住民税(28,000円)が控除上限額です。

 

所得税で最大120,000円(40,000円×3)の所得控除、住民税で最大28,000円の所得控除となる事がわかります。あとは控除額に自分の税率を掛ければ年末調整で取り返せる税金の額が分かります。所得税の税率が10%、住民税の税率が10%の人なら合計で12,000円+2,800円=14,800円の払ってしまっている税金(給与天引されている税金)を取り戻せるのです。

※所得税の税率はコチラ ⇒ 国税庁のホームヘージ
住民税の税率は各市町村で違うので各自調べてみて下さい。

まとめ

長くなりましたが「保険で年金を積立てて節税まで楽しむ方法」はご理解頂けたでしょうか。簡単に言うと2ステップです。

1、自分に最適な個人年金を掛ける
2、年末調整をする(自営業者の方は確定申告)

一番大切な事をもう一度いいます。

必要な個人年金の金額

必要な個人年金の金額 = 老後に必要な生活費 - 将来受け取る公的年金見込額

「老後に必要な生活費」だけは各自違うので自分の老後の生活をイメージして算出して下さい。毎月の住居費、毎月の食費、毎月の通信費、毎月のローン支払い額、毎月の交際費、6月に支払う自動車税と固定資産税(都市計画税含む)、医療費、衣料費、年に何回か行く旅行費、子供への資金援助、孫へのお年玉、出て行くお金は後を絶ちません。それだけ資金計画は大切な事なのです。

この記事に書いたような面倒な事をしている人は、他の人より有利な老後を手に入れれます。

「納期のある事はスグやる! 面倒くさい事は今スグやる!」
我が家の家訓です。

最後までお読み頂き
ありがとうございました。

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