こんにちは
ホン博士です。
女性の方って赤ちゃんを産むという大きな仕事を背負ってますよね。ここで気になるのが、出産と保険の関係です。
多くの女性は出産に関しては不安がいっぱいです。なぜなら、第一に気に掛けるのは生まれてくる赤ちゃんの事で、次に自分の身体の事、家族に心配を掛けない事、お金の事、様々な不安を抱えています。
これらの不安の中で、自分でコントロール出来るのはお金の事です。出産の際に健康保険から貰える公的なお金、それを把握した上で保険を掛けて補えるお金、出産に関わるお金対策って以外に多くあるのです。
公的なお金と保険を組み合わせる事で、お金の心配から解放されると言っても過言ではありません。
実際に、適切なタイミングで適切な保険に入ってお金の心配を解消している方は沢山いるのです。
その適切なタイミングとは妊娠前なのです。理由は分かりますか? 妊娠前なら保障範囲を広げる事が可能だからです。逆に言うと妊娠後の保険加入だと保障範囲が狭くなるので、役に立たないケースも多々見られるからです。
今回は、公的なお金と保険についてお勉強してみましょう。少しでもお役に立てると幸いです。
出産時に貰える「公的なお金」とは
皆さんが知りたいのは「保険加入は妊娠前がいい理由」ですよね。ここでは敢えて、出産時に貰える「公的なお金」から説明させて頂きます。理由は「公的なお金」ありきで足らない部分を保険で補うようにしている方が多いからです。
「公的なお金」とは健康保険(会社員等)や国民健康保険(自営業者等)から貰えるお金の事です。要するに保険証を持っている人が貰えるお金の事です。以下の4つから構成されています。
このような制度を理解する事が保険選びの第一歩です。それでは各制度について見て行きましょう。
出産育児一時金
出産育児一時金とは赤ちゃんを産むと貰える有難いお金です。出産を頑張ったお母さんにご褒美的なお金です。
出産は病気やケガではない為、健康保険の対象ではありません(帝王切開除く)。すなわち全額自己負担となるのです。それはあんまりだろう、と言う事で助成金と言う形で貰えるのが出産育児一時金です。
金額は42万円と結構な額が貰えます。これは嬉しいですよね。出産時の入院費は一般的に35万円~60万円と言われています。42万円貰えると大半が補えますよね。入院費の35万円~60万円という幅は出産をする病院施設の質によって変わってきます。
●病院がキレイ > 病院が汚い
●設備が新しい > 設備が古い
このような基準で病院選びをすれば、どこの病院がコスパがいいかが見えてきそうですよね。自分の予算や希望や許容範囲に合わせて病院を選んでみるのは如何でしょうか。
この出産育児一時金は妊娠4か月(85日)以上という条件があります。条件を満たせば双子の場合は2人分貰えます。自然分娩でも帝王切開でも貰えます。不幸にも死産、流産、早産、人工中絶となった場合も対象となってきます。
出産手当金
出産手当金とは出産の為に会社を休んだ場合の休業補償みたいなものです。下図を見て下さい。
このように、出産日を軸に、産前42日間、産後56日間で「休んだ日数 × 標準報酬日額の2/3」が出産手当金として貰えるのです。とても手厚い制度ですよね。この出産手当金の存在を前もって知っておく事は非常に重要です。万が一、会社が払ってくれない(人事が処理を忘れている?)場合、請求が出来るからです。
標準報酬日額
2つ注意して頂きたい点があります。
●1つ目
出産手当金は健康保険(会社員:配偶者含む)は貰えますが、国民健康保険(自営業者)は貰えません。
理由は、国民健康保険を運営するのは市町村で、この制度は慢性的な赤字が続いているのです。なぜなら国民健康保険の加入者は高齢者が多く、高齢者の多くは所得が低く(支払い保険料も低い)、病気がちの為、この制度は収入と支出のバランスが悪いのです。こういった理由から国民健康保険には出産手当金を払う余裕がないのです。
●2つ目
無理をせずに早目に育児休暇を取って下さい。理由は健康保険を辞めさせられる可能性があるからです。
出勤日数が17日未満が3か月以上続いた場合、会社は健康保険に入らせる義務は無くなるのです。健康保険は労使折半で会社も半分負担しているのです。ということは? 会社は休みがちな人に健康保険を払いたくないと言うのが本音かもしれませよねん。健康保険を辞めさせられたら前述の出産育児一時金(42万円)も当然もらえなくなります。
なんだか理不尽だね
このルールを理解して、それに合わせた対策を考える事じゃぞ!
高額療養費制度
高額療養費制度とは簡単に言うと、医療費が高額(自己負担限度額)になった場合にお金を返してくれる制度です。お母さんにとっては非常に有難い制度ですよね。しかし、注意点があります。自然分娩は対象外なのです。
自然分娩って病気やケガではないですよね。
健康保険(会社員)や国民健康保険(自営業者)は保険証を持って病院に行きますが、自己負担を3割に出来るのは病気やケガの場合なのです。だから自然分娩は対象外です。じゃあ何が対象になるの? 主には帝王切開が対象になります。この時に高額療養費制度が適用されるのです。下図を見て下さい。
この例は医療費総額で50万円掛かった場合の図解です。保険証を提示するので自己負担額は3割の15万円です。ここで登場するのが高額療養費制度です。自己負担額には上限があり、上限を超えた部分は申請をすれば返してくれるのです。上の式では自己負担額上限が82,430円となっていますが、これは標準報酬月額が28万円~50万円の方の例です。ご自分の標準報酬月額によって金額が変わるので、くわしくは全国健康保険協会のHPをご覧になって下さい。
ここで注目して頂きたいのは、この制度は勝手に返ってくるものではありません。申請が必要です。病院や会社からのアドバイスはあるでしょうが、万が一、病院や会社が言い忘れていて、あなたが知らなかったら、申請はしないのでお金は返って来ないのです。高額療養費制度の原資は毎月給与天引されている保険料です。保険料を払ってるのに、高額療養費制度で返して貰えないって勿体ないですよね。
医療費控除
医療費控除は確定申告をする事によってお金が返って来ることです。確定申告と聞くと「難しそう、面倒だ、怖い」などと会社員の人には馴染みがないですよね。しかし、意外に簡単で税務署に人も詳しく教えてくれます。気を付けて欲しいのは申告期限が2/16~3/15と言う事です。この期間中は税務署に確定申告をする人(自営業者等)が殺到しているので、出来れば年末か年明け位に相談に行った方が詳しく教えてくれるでしょう。その後、申告は郵送でもOKです。
※混同しやすい「年末調整」については以下の記事で詳しく紹介しています。
医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた場合、超えた部分を所得から控除してくれるのです。下図を見て下さい。
超えた部分にその人の税率を掛けた金額が返ってくるのです。図解では20%をサンプルにしています。税率については以下の表を参考にして下さい。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円を超え 4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
例えば、課税される所得(年収ではありません)が350万円だとしたら
350万円 × 20% - 427,500円(控除額) = 272,500円
となり、所得税を年間で272,500円払っている(給与天引)のです。
この人が出産で15万円払い、確定申告すれば、払ってしまっている所得税(272,500円)から1万円返ってくるのです。
さらに住民税も10%(一律)払っているので、こちらも減額されます(6月以降の給与天引される住民税が安くなります)。
さらにさらに、平成29年1月1日からはセルフメディーケーション制度も導入されています。簡単に言うと、自分でドラックストアに行って買った薬も医療費控除の対象になるのです(対象の薬のみです)。
詳しくは厚生労働省のHPに書かれています。
どうですか、確定申告と言うと敬遠しがちですが結構インパクトのある返金でしょ!
これを知ったあなたは、医療費が10万円を超えた場合はじっとして居られないですよね。
長くなりましたが、皆さんが知りたい「保険加入は妊娠前がいい理由」の前置きはココまでです。読み疲れましたよね。でも、どれも大切な知識です。出産という人生の一大事に臨むに当たって妥協はしたくないはずです。これらの知識も元に「保険加入は妊娠前がいい理由」をお伝えします。もう少し、お付き合い下さいね。
保険加入は妊娠前がいい理由
「保険加入は妊娠前がいい理由」は妊娠前なら保障範囲を広げる事が可能だからです。逆に言うと妊娠後の保険加入だと保障範囲が狭くなるので、役に立たないケースも多々見られるからです。
出産に対応する保険は「死亡保険(特約)」、「医療保険」のいづれかになります。そして、大前提として覚えておいて欲しいのが、自然分娩では基本的に保険は下りないという事です。じゃあ何で保険があるの? 帝王切開等の病気やケガに該当する場合です。
帝王切開
理由その①「特定部位の不担保」
妊娠中の保険加入は可能です。しかし妊娠中って母体に何かが起こるリスクが高いですよね。あなたが保険会社ならどうですか? できれば引き受けたくないのではないでしょうか。妊娠中の保険加入は保険会社がリスクヘッジ(危険を回避)しているのです。下図を見て下さい。
妊娠中の保険加入は受け入れますよ、その代わり「特定部位の不担保」と言うリスクヘッジを取りますよ。これが保険会社のメッセージです。
理由その②「若い方が保険料が安い」
これは保険全般に言える考え方です。なぜ「若い方が保険料が安い」のか? 保険会社は皆さんから預かった保険料を運用しているのです。
ニュースを見ていると、公的年金が運用に失敗をして何兆円の赤字、などとたまに聞きます。皆さんの保険料のもこれと同じように運用されているのです。じゃあ払った保険料は運用で失敗されて減ってしまうの? 大丈夫です。ニュースになるのは短期的にマイナスになった事を伝えているだけで、トータルではちゃんとプラスになっているのです。
若いうちに保険加入すると(長期運用)、保険会社からすると運用期間が長く取れるので、高齢で入る(短期運用)より多く利益が出せるのです。その利益が保険料に反映されるので、「若い方が保険料が安い」となるのです。
若い時に入るのがベストなんだね!
次に、1人目の帝王切開に備える方法も知っておくのじゃ!
理由その③「1人目の帝王切開に備えられる」
帝王切開は誰しもが避けたい出産方法ですよね。しかし、現代では20%程度が帝王切開での出産と言われ上昇傾向にあります。その理由は、医師の判断によるものですが、骨盤が小さく赤ちゃんが大きい場合等は帝王切開を選択しています。なぜなら、骨盤が小さく赤ちゃんが大きい場合に自然分娩を行うと、産後出血が止まらず、子宮にダメージを与えてしまうからです。
帝王切開は異常分娩と言われ(普通分娩は正常分娩)、保険金の支払い対象になります。ここでポイントになるのが保険加入のタイミングなのです。下図をご覧ください。
妊娠前に加入していると1人目の帝王切開から対応出来ますが、妊娠後(27週目までは保険加入可能)の保険加入だと帝王切開に対応出来ません。妊娠後の保険加入だと前述したように「特定部位の不担保」にあたり、保障の範囲が狭いので1人目の出産では保険機能を果たさないのです。
「妊娠前」、「若い時」この2つがポイントなんだね!
保険について詳しくなってきたじゃないか!
学校の勉強もそれぐらい熱心だとな~
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少額短期保険(ミニ保険)
少額短期保険って何? こんな声が聞こえてきます。専門用語ですよね。これは簡単に言うと、短期間を少額ですが保障しますよ、と言う商品です。コンビニで「1日自動車保険500円」とかありますよね、その類(たぐい)です。
なぜ少額短期保険が登場するか?
通常は受け付けない妊娠後でも保険加入が可能で、普通分娩にも対応(保険金が貰える)している商品があるからです。
少額短期保険の特徴は、一般の保険ではカバー出来ない保障を行っている事です。例えばゴルフでホールインワンを出した時の後で行うパーティー代を賄う保険とか、旅行をキャンセルせざるを得なくなった場合にキャンセル料の一部を賄う保険とか。
※ゴルフ保険は以下の記事で詳しく紹介しています。
⇒ ゴルフ(ゴルファー)保険に1日加入でホールインワンにお祝いを!
妊娠に関しては、ABC少額短期保険の「おかあさん保険」という商品があり帝王切開の保障、自然分娩の保障(責任開始後の妊娠に限る)、死亡保障、手術給付金、入院給付金が付いています。しかも23歳だと月々1,470円と大きな負担とはなりません。
このような保険がある事を知っておく事は大切ですよね。保険屋さんと話しをする時「少額短期保険はありますか」なんて言うと、向こうは「むむ、下手な提案は出来ないな」なんて思うかもしれませんね。
まとめ
ここまで3つのセクションで構成してきました。
●保険加入は妊娠前がいい理由
●少額短期保険(ミニ保険)
出産とは女性としての大仕事です。その大仕事に万全で臨むのは全ての女性が強く求めるところですよね。その為に前述したような事を知っておくのは大切だし、生まれてくる赤ちゃんに、しっかり者のお母さんの姿を見せてあげたいですよね。
出産後は我が子の泣き顔、笑顔で幸せな気持ちに包まれるでしょう。そんな時にお金の心配なんかしたくないですよね。これを機に、保険について真剣に考えてみるのは如何でしょうか。
「納期のある事はスグやる! 面倒くさい事は今スグやる!」
最後までお読み頂き
ありがとうございました。