こんにちは
ホン博士です。
自動車保険の解約って何となく不安になりますよね。解約した後に事故を起こしたらどうしよう、切り替えた保険の方が保険会社の対応が悪かったら困るな、ディーラーさんの勧める保険に入ったが適切だったのかな、様々なケースが考えられます。
普段やっていない手続きなので、手痛いミスをする可能性は当然高いです。じゃあミスをすると、どのような不利益があるのでしょうか。どのような手順で行えばいいのでしょうか。
自動車保険の解約や乗り換えの手続きや注意点をウラの裏までお勉強してみましょう。
自動車保険の解約
今の自動車保険、ディーラーさんに勧められて何となく入ったんだけど、事故時の対応がイマイチだったんだ。
よくあるパターンです。事故を起こした場合って頭がパニックになってますよね。恐らく冷静な判断が出来る人は少ないでしょう。特に対人事故で他人に迷惑を掛けてしまっている場合なんて、冷静でいるのは難しいんじゃないですか。そんな時、保険会社に電話を掛けて、対応がイマイチだったらどうですか、今の保険を解約して他の保険にしたくなりますよね。
そんな保険会社は切り捨てて、他の保険会社に乗り換えるのですが、焦っては事を仕損じます。以下の点を注意してみてください。
冷静に考えるべき4つの事
今から説明する4つの事を忘れると損をするので要注意です。保険を他社に乗り換ええるという時点で不満があるのに、乗り換えで損までしてしまうなんて避けたいですよね。
解約返戻金
自動車保険の解約時には解約返戻金(かいやくへんれいきん)があります。自動車保険を一括で払っている場合の解約時にはお金が戻ってくるのです。
注意して頂きたいのが、残り期間が1か月以下だと解約返戻金はありません。そして、月払いの場合も解約返戻金は発生しません。なぜなら、月払いなので毎月、残り期間が1か月を切っているからです。解約返戻金は日割り計算ではなく、保険会社が定めた「短期料率」で計算されます。詳しくは解約する保険会社に確認すると分かります。
例えば、8/20に切れる保険の場合は7/21以降に解約をすると解約返戻金はとりかえせません。
切り替え時に空白を作らない
切り替え時に「空白の日を作らない」のは非常に大切な事です。
具体的に言うと、8/20に「前の保険」が解約日や満期日で、8/20に「次の新規契約」をしたとします。これは×です。下図と見て下さい。
16時~0時までが空白になってますよね。
一般的には保険の満期は16時までで、新規契約は契約日の翌日の0時からスタートなのです。だから、このような空白が出来ないよう、保険屋さんに話をする配慮が必要なのです。空白の時間に万が一、事故を起こしてしまったらアウトですよね。貰い事故だとしても過失割合が少しでも付けばこれもアウトです。
窓口で入る保険なら保険屋さんの配慮もあるじゃろうが、ネットで自分でクリッククリックで進めて行く場合、失敗する事もあるのじゃぞ!
冷静に考えるべき事、4つの内2つは分かったよ。
次の2つも教えてよ!
等級の引継ぎ
初めて車の免許を取った時、任意保険に入った時、あなたの保険は何等級からスタートしたか覚えていますか? 6等級からなんですね。そして、無事故を1年重ねるごとに1等級ずつ上がっていくのです。最終的には20等級(上限)になり、63%割引を勝ち取る事が出来るのです。
この等級、事故で保険を使うたびに3等級下がってしまうのです。痛いですよね。
これがノンフリート割引表(等級による割引表)です。
赤の部分が割増で、青の部分が割引です。
「事故有り」とは前年に事故があった場合です。
「事故無し」とは前年に事故が無かった場合です。
この表から分かるように、一番安いのは63%割引で、一番高いのは64%割り増しです。怖いですよね。
で、問題なのは、保険を解約して他の保険に切り替える場合ですが、この等級をちゃんと引き継ぐようにしないといけないのです。なぜなら、引継ぎを忘れてしまうと、新規契約扱いで6等級からのスタートになるからです。例えば、ず~っと無事故で20等級になっているのに、引継ぎを忘れて6等級になってしまうと痛いですよね。それだけ等級の引継ぎは大切な事なのです。
この制度を「保険期間通算特則」と言います。保険屋さんに「保険期間通算特則を忘れないでね!」なんて言えたらカッコよくないですか。「この人、できるな!」と一目を置かれたりして(笑)
「中断証明書」の活用
「中断証明書」とは、車に乗らない期間(任意保険を継続しない期間)、時を止めてくれる書類の事です。
この「中断証明書」がなぜ必要かと言うと、こんなケースはどうしますか? 例えば現在20等級で海外赴任で2年間は日本に帰って来れない、、例えば大病を患いしばらく車には乗れない、、例えば大ケガをしてしばらく車には乗れない。
この間、等級をキープする為に車に乗らないのに保険料を継続して払い続けるのってムダですよね。こんな時に「中断証明書」が有効なのです。「中断証明書」が無ければ新規契約で、6等級からになってしまうのです。ねっ、必要ですよね。
この「中断証明書」は10年以内なら再契約の際、元の等級で保険を再開できるのです。
具体的な解約手続き
解約時に冷静に考えるべき4つの事はご理解いただけたでしょうか。
ここからは具体的に、解約ってどうすればいいの? をお勉強してみましょう。
ばっくり
2つのステップです。
②、今の保険会社に解約の旨を通知する
③、送ってきた書類と保険証券を送り返す
これぐらい簡単なら、何とかなりそうですよね!
※①は後で出てきます
②、今の保険会社に解約の旨を通知する
この通知は電話で大丈夫です。
「解約するのは気が引けるな」なんて思うかもしれませんが、全く大丈夫です。
「契約自由の原則」と言うルールがあるのです。簡単に言うと、契約や解約は本人の意志に従い自由にされるべき というルールです。だから全く気にする必要はありません。道義的に気が引けるというのはあるでしょうが、何か不利益があって解約を決意したのですから、遠慮せずに電話しましょう。
③、送ってきた書類と保険証券を送り返す
保険会社から、解約申込書や契約内容変更依頼書など所定の書類が送られてきます。そこに不備なく記入して、保険証券を一緒に送り返して下さい。
ここでありがちなのが、保険証券を紛失しているケースです。この場合は解約できないのでしょうか?
大丈夫です。保険会社が必要なのは証券番号です。もちろん、紛失してしまった本人には分からないですよね。しかし、保険会社に名前や住所や年齢等の情報を伝えれば、保険会社で把握してくれます。
保険証券は紛失していても大丈夫なのです。
※関連記事を紹介します。自動車保険の解約時に税金が発生する事はほぼ無いでしょうが、大切な関連知識です。
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あっ!保険の解約で税金が掛かりました。。。
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他社への切り替え手続き
前章(具体的な解約手続き)で手順①が抜けていました。ここで登場するのです。
他社への切り替え手続きは以下の4つのステップです。
①、乗り換え先の保険会社に他社から乗り換える旨を伝える
②、今の保険会社に解約の旨を伝える
③、送ってきた書類と保険証券を送り返す
④、空白の日が出来ないように乗り換え先に申込をする
先程の解約より2つのステップが増えていますが、これ位なら大丈夫そうですよね。
①、乗り換え先の保険会社に他社から乗り換える旨を伝える
対面の保険屋さんで乗り換え手続きをする場合は特に問題はないですよね。口頭で伝えて、保険屋さんの指示に従えば問題なく手続きできます。
問題なのはネット自動車保険への乗り換えです。
細かく読んでいけばネットで完結できるのでしょうが、面倒ですよね。更に間違う可能性もあしますし。
じゃあどうすればいいの?
電話をすればいいのです。口頭で伝えた方が確実です。その際、担当者の名前は控える方がいいです。
ネットの自動車保険って電話番号が中々見つけれないのですが、どこかに有ります。切り替え手順の詳細を全て読んで解読して、自分でネット完結するのもいいでしょうが、電話番号を見つけて電話してしまう方が遥かに手間は軽減できます。そして、間違いも起こりません。どうですか?
④、空白の日が出来ないように乗り換え先に申込をする
これが最大のポイントです。前述したように、空白はいけません。あなたの不幸の始まりになるかもしれません。おさらいをしておきます。
分かりますよね。
分からなければ、上にスクロールして読み直して下さい。大事なところです。
それでも失敗してしまい、空白の日が出来てしまった場合、、、大丈夫です。空白の日は車に乗らなければいいのです。ここのポイントは、空白の日が出来た事を把握しておくことです。何とか対処できそうですよね。
空白の日は作らない、出来てしまった場合は車に乗らない。
まとめ
自動車保険の解約についてご理解いただけたでしょうか。
初めての事って不安だし、先が分からないので更に不安になりますよね。この記事で少しは分かったのではないでしょうか。
「冷静に考えるべき4つの事」
●解約返戻金
●切り替え時に空白の日を作らない
●等級の引継ぎ
●「中断証明書」の活用
どれも大事な事です。理解が足りないと思う方は、もう一度読んでみて下さい。
具体的な解約手続き、他社への乗り換え手続きについても触れてきました。ここで大事なのは空白の日を作らない事でしたよね。
ハッキリ言って、自動車保険の切り替えって面倒くさい事です。重い腰を上げるのも大変です。なぜなら、今の保険を切り替えなくても車に乗れるからです。不満の部分に目をつぶれば車に乗れるからです。
でもね、最適な保険に切り替えれれている人はこの面倒くさい事をやっているのです。これをやらない人は不満と不安を抱えたまま、車に乗り続ける事になるのです。
「納期のある事はスグやる! 面倒くさい事は今スグやる!」
我が家の家訓です。
最後までお読み頂き
ありがとうございました。