こんにちは
FP(ファイナンシャルプランナー)のホン博士です。
あなたの入っている生命保険会社が破綻した場合って考えた事ありますか?
一番困るのは、今まで払ってきた保険料がムダになる事です。例えば貯蓄目的でコツコツと貯めた貯蓄型保険(生命保険、学資保険、年金保険、養老保険)って返して貰えるのでしょうか?
貯蓄分を取返せてない上に、死亡時に保険金も出ない。
最悪ですよね。
この記事では、生命保険会社が破綻した場合のあなたの保険の事、
掛け捨て保険が安全な理由を紹介します。
ちなみに以下のサイトでこんなデータがありました
【平均加入割合】
○掛け捨て保険:貯蓄型保険 = 6:4【平均保険料】
○掛け捨て = 約6000円
○貯蓄型 = 約12000円
生命保険契約者保護機構
文字から推測すると、生命保険を契約してる人が保護されるって事?
生命保険契約者保護機構とは国内で事業を行う全ての保険会社が加入している法人なのじゃよ。
主な役割は生命保険会社が破綻した場合、我々保険契約者が困らないように破綻した会社の保険を他社に引き継いだりしてくれるのじゃ!
要するに、我々保険契約者の味方なのじゃよ!
生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」)については少しイメージできましたか。
表向きは「保護機構があるので安心」という空気を発したいのでしょうが、保護機構が機能しても万全とは言えないのです。
保護機構の役割
保護機構の役割は保険契約者の保護です。
具体的に言うと「資金援助」により保険契約者を保護してくれるのです。
生命保険会社が破綻して保険金が払えなくなった場合、保護機構の後ろ盾がある「救済保険会社」か「継承保険会社」が払ってくれます。
「救済保険会社」と「継承保険会社」
「救済保険会社」か「継承保険会社」が保険金を払ってくれます。
ステップ1として「救済保険会社」を待ちます。他の保険会社が破綻保険会社の保険を引き継ぎます。
その際に、保護機構からの資金援助があります。
ステップ2として「継承保険会社」です。「救済保険会社」が現れなかった場合、保護機構の子会社として「継承保険会社」が業務を受け持ちます。平行して「救済保険会社」の登場を待ちます。
また、保護機構は子会社を作らず自ら「継承保険会社」となる場合もあります。
保険契約者からすると、窓口が変わるのですね。
じゃあ、窓口が変わるだけで不利益はないのでしょうか?
順番に見て行きましょう!
保護の仕組み
自分が入っている保険会社が破綻した場合、「救済保険会社」か「継承保険会社」が業務と引き継いでくれる事はわかりましたよね。
この時、不利益はあります。
どういった不利益があるのかを具体的に見て行きましょう。
責任準備金の90%まで補償
90%まで補償されるのです。何となく安心ですか?
ポイントは責任準備金の90%までです。
「払った保険料 ≠ 責任準備金」
以下が払った保険料の内訳です。
払った保険料から経費が引かれ、残りが責任準備金となり、責任準備金の90%が補償されると言う事です。この経費の割合は保険会社や保険商品により違いますが、払った保険料の90%が補償されるという訳ではないのです。
ねっ、不利益があるでしょ。
どんな保険が損をする
これはハッキリと傾向が出てます。なぜなら保険の仕組みがそうさせているからです。
結論から言うと、保険会社に依存する保険ほど損をします。
〇予定利率が高い保険
〇満期までが長い保険
上記3つの商品が損をする確率が高いです。
それでは1つずつ見て行きましょう。
貯蓄性の高い保険
保険は「貯蓄タイプ」と「掛け捨てタイプ」があります。以下が分類表です。
貯蓄タイプ | 掛け捨てタイプ | |
---|---|---|
保険の種類 | 養老保険 終身保険 個人年金 学資保険 | 定期保険 |
「貯蓄タイプ」と言われる商品はなぜ普及しているかと言うと、最終的に払った保険料より沢山お金が貰えるからです。
その仕組みは、保険料(責任準備金)を運用して増やすからです。要するに保険会社に依存しているの商品なのです。
「貯蓄タイプ」の保険料は高いです。なぜなら運用される部分が多いからです。以下が「貯蓄タイプ」と「掛け捨てタイプ」の保険料のイメージ図です。
〇貯蓄タイプ・・・保険料が高く、責任準備金の割合が高い
〇掛け捨てタイプ・・・保険料が安く、責任準備金の割合が低い
「貯蓄タイプ」は責任準備金(運用して増やすお金)の割合が高く、保護されるのはその部分の90%です。だから破綻されると損をするお金が多いですよね。
逆に「掛け捨てタイプ」は責任準備金の割合が少なく、掛け捨てと言う位だから戻ってくるお金がないので損は少ないです。事故時(死亡等)に貰える保険金が減らされる可能性程度でしょう。
「掛け捨てタイプ」が安全な理由はご理解いただけましたよね。
※以下の記事で、さらにリスクの高い「外貨建て保険」について紹介しています。
予定利率が高い保険
予定利率が高いとは保険会社が運用にて原資(責任準備金)を増やす率が高いという事です。
要するに契約者側からすると保険会社に依存している保険です。
保険会社の運用益に期待するという依存をしている保険は危険です。
満期までが長い保険
満期までが長い保険とは、若いうちに入った保険が想定されます。
満期までが長いという事は、保険会社に原資を運用してもらう訳です。
要するに契約者側からすると保険会社に依存している保険です。
どのようなケースで損をするか
保険会社が破綻してしまった場合の仕組み、そしてどんな保険が損をするかは理解いただけましたよね。
じゃあ、どういったケースで損をするの?
前述したように、保護機構が責任準備金(原資)の90%まで補償してくれます。
逆に言うと10%は減ってしまう可能性があるのです。
以下の3つのケースが想定されます。
〇保険金額の減少
〇解約返戻金の減少
1つづつ見て行きましょう
予定利率の引き下げ
貯蓄タイプの保険だと保険加入時に「最終的にどれ位増える」などを知った上で入るのではないでしょうか。
しかし保険会社が破綻すると、そのシナリオは脆く崩れます。
保険契約を存続させる事に注力して、予定利率の確保までは回らなくなります。
保険金額の減少
責任準備金の減少、予定利率の引き下げ ⇒ 保険金額の減少
簡単に想定できる公式ですよね。
養老保険、個人年金、終身保険、学資保険などは貯蓄性が高いので保険金の減少が想定されます。
解約返戻金の減少
同じ流れです。
責任準備金(原資)が減るという事は解約返戻金も減るでしょう。
解約返戻金
保険会社の選定基準
保険商品の選定基準は分かりましたよね。
最後に保険会社の選定基準をお伝えします。
「支払余力のある会社を選ぶ」
これに尽きます。
ソルベンシーマージン比率って言葉をご存知ですか?
普通、知らないですよね。
簡単に言うと財務健全性が分かる指標のことです。
「%」で表され、数値が高い程、健全とされています。
逆に200%を切ると金融庁の指導が入ります。
保険会社を選ぶ際は、最新のソルベンシーマージン比率を参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「生命保険会社が破綻した場合の扱い」
「掛け捨てタイプの保険が安全な理由」
ご理解いただけましたよね。
保険会社を選ぶ際はソルベンシーマージン比率を参考にすれば安心ですね。
さらに言うなら、保険会社を分けてリスクヘッジを取るのもいいでしょう。
たまにはご自分の保険を見直してみてはいかがでしょうか。
その保険会社のソルベンシーマージン比率が下がっているかもしれませんよ。
目に見えている危険は回避しておくべきです。
ハッキリ言って保険の見直しや掛替って面倒です。しかし損を被らない為にはやっておいた方がいいでしょう。損をするのはあなたなのだから。
「納期のある事はスグやる! 面倒くさい事は今スグやる!」
最後までお読みいただき
ありがとうございました。